校務システムをより効果的に運用するためには、どんな導入手順を踏めば良いのでしょうか。ここでは、校務システムの導入手順を、それぞれの段階で必要な取り組みをご紹介しつつ、校務改善のスペシャリストであるウェルダンシステム株式会社の柏野顧問の意見も伺いしました。
1975年に語学教育事業をスタートさせ、現在ではITコンサルティング事業から教育サービス事業など各種事業を幅広く展開。今回は校務調査チームが小学校の先生の働き方や校務について調査し、私立小学校に特化した校務システムを提供しているウェルダンシステム社取材協力・監修のもと、コンテンツ作成いたしました(2021年10月調査時点)。
ここでは文部科学省が発表している「校務支援システム 導入・運用の手引き」のポイントを参考にして、導入のポイントをまとめています。
参照元:文部科学省【PDF】
(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/04/06/1369638_2_1_01.pdf)
準備期でまず大切なのは、校務システムを導入する目的やビジョン、目指す方向を関係者間で共有すること。そのうえで、推進組織の編成・導入目的をまとめた仕様書の作成・予算化・業務改善例のピックアップなどを行いましょう
仕様作成にあたっては、すでにシステム導入している自治体の事例を参考にしつつ、小学校に対応している校務支援システムの仕様に合わせて作成するのがおすすめです。ただ現在の作業をそのままシステム化するのではなく、業務を見直し、無駄をなくして業務の標準化を行えるよう、運用ルールの見直しや改訂も行いましょう。
導入初期は、システムの利用開始から利用拡大をはかる段階。校務システムを導入することで、手書きがPC入力に変わり、個別システムから共通システムへ移行し、業務ルールも全体最適のために標準化、共通化されたものになるため、 中には拒否反応を示す先生もいるでしょう。
新たな仕組みを定着させるには、管理職による積極的なリーダーシップと、現場に対するさまざまな支援が必要です。研修会を実施したり、ICT支援員やヘルプデスクなどを積極的に活用しましょう。これらは導入初期だけでなく、継続的に行いましょう。
定着期は、さらに活用を進め、発展させていく段階。継続的な運用を行い、利活用を促進するためには、Plan(計画)→Do(実行)→ Check(評価)→ Ac(t 改善)という「PDCAサイクル」に沿って業務を継続的に改善するのがおすすめです。
運用定例会で定期的な見直しを行い、システムを導入でどのような課題を解決できたか、どれだけ負担が軽減されたかといった効果測定を実施。システムの更新・入替えを検討するなど、運用によって生じた課題や効果をその都度確認しながら、より効果的にシステムを活用できるように努めましょう。
100校を超える私立校に校務システムを導入してきた実績を誇り、校務改善を知り尽くしたスペシャリスト。経営するウェルダンシステム株式会社には元教員のエンジニアが在籍し、常に現場目線での提案を心掛ける。私立小学校に特化した校務システムの「スクールマスターZeus」は暁星小学校、白百合学園小学校などに導入されている(2021年10月調査時点)。
校務支援システムは、「導入して終わり」というわけではありません。円滑に運用し、校務を効率化させるためには、さまざまな事前準備が必要です。手書きにしろ、エクセルにしろ、これまでのやり方を大きく変えるになるので、現場からの反発もあるでしょう。だからこそ、学校の推進組織とシステム業者がひとつになって、システム化のメリットを校内に広く伝えていかなくてはなりません。
また、煩雑な校務の中には、ただ前例に倣うだけで非効率的なやり方をそのまま踏襲してしまっているケースが少なくありません。実際には規定などないにもかかわらず、慣れ親しんだ手法が当たり前だと思い込み、知らず知らずのうちに慣例化してしまうのです。
例えば、公文書には押印が必須だと思われがちですが、実際には、指導要録などごく一部を除いては、法的な規定はありません。校務システムを導入する際には規定を正しく理解し、慣例にとらわれることなく、日々の業務を見直すことから始めましょう。
弊社(ウェルダンシステム株式会社)の導入手順でいえば、まずお問い合わせいただいた後に、ヒアリングをさせていただきます。 そこで、現状の課題を明確にします。私立小学校は学校ごとにルールや文化などが全く違うので、一つひとつの課題をしっかり把握しなければいけません。なかには「当たり前だと思っていた処理の仕方がかなり特殊だった」ということもあります。それだけ学校ごとに校務作業は千差万別なのです。
先生方は当然ながら、自分の学校のやり方が一般的だと思ってらっしゃいます。ですから、まずは「自分たちの常識を疑う」ことからスタートします。そこから課題を明確にし、「校務をどう効率化していきたいか」「残したい部分と変えて良い部分はどこなのか」「最終的にどういう学校でありたいか」という理想の未来を一緒に描きます。そのうえで、弊社の「スクールマスターZeus」を導入することで、何が解決できるかをお話しさせて頂いています。
実際に「スクールマスターZeus」を導入して頂いた学校様では、「担当のスタッフの方がこちらが希望する機能の意味や目的を的確に理解して提案をしてくれたので、大変安心感がもてた」という声や「学校の実状をよく理解していて驚きです」「校務支援システムの便利さが理解できたことで、教員から『こんなこともできるのではないか』という意見が多く出るようになった」という声を頂いています。
学校教育は、毎年変わり続けています。その中で、校務の小・中・高の一元化を目指しながら、現場の変化に対応したシステムを開発して、先生が教育に専念できる環境を提供することが私たちの使命だと思っています。
簡単な操作で、通知表、要録、学校日誌、週案、さまざまな名簿等の事務作業を効率化してくれるシステムです。既存のシステムでは難しかった、私立小学校の独自の文化やルールに柔軟に対応し、PCが苦手な先生でも使いやすい操作性も魅力。「スクール マスター zeus」の詳しい特徴や導入事例は、公式HPをご確認ください。